当所が総合プロデュースを担当した
長崎市の木板画ギャラリー
壽美堂が4/12(土)新装オープン

“長崎の風景をえがく”をテーマに、
家に飾る 身近なアートを
制作していますので、是非、
お気軽にお立ち寄りください。

《基本情報》
店名:木板画ギャラリー 壽美堂
住所:長崎市船大工町1-14
営業時間:12時〜16時
定休日:不定休

《木板画家 荒木 壽美》
1949年、長崎市生まれ。木板画ギャラリー 壽美堂 代表。日本板画院「同人」。長崎の風景をテーマに、家に飾る身近なアートを志向し、自刻自摺の木版画を制作しています。島原城築城400年記念事業「島原ボタニカル・アート展 – 植物をうつす」(2024年)では、島原市まちなかに大小様々な手摺木版画作品を展示しました。新装オープンするギャラリーでは、展示スペースを大きく拡張しているため、多くの作品をゆっくりとご鑑賞いただけます。またタイミングが合えば、作家の制作風景もご覧いただけます。

《ブランディング》
“長崎の風景を木板画でえがく”、“家に飾る身近なアート”をメインテーマとしながら、季節感のあるボタニカル・アート(植物画)を多数制作していることを意識しながら、全体をブランディングデザイン。

《ギャラリー名》
元々ギャラリー名がなかったことから、名称を検討。江戸時代の浮世絵版元に「堂」と付くものが多かったことを参考に、作家の名前に「堂」をつけた「木板画ギャラリー 壽美堂」と決定。

《ロゴデザイン》
手摺木版画らしさを最大限表現するために、木版画家 荒木壽美 様が実際に筆で文字を書き、板に彫刻し、紙に摺りあげた直筆版画縦文字「木版画ギャラリー 壽美堂」をデザインとして取り込み、和のメイングラフィックに。

木版画の彫刻刀 三角刀のグラフィックの先には、“未来” という意味のドイツ製フォントFutura の英字を添えて、新ギャラリーの目指す現代的な気配もまとわせました。テーマカラーは、和の木版画にちなみ、日本の伝統色を多数比較していただき、上品な青緑の「水浅葱」で仕上げることに。

《ECストアデザイン》
木板画作品の目を引くビジュアルを活かして、ファッション系に多い端正な縦型画像レイアウトに。現地のギャラリー以外でもスマホ上でスクロールするだけで木板画ミュージアムを回遊するような鑑賞体験をご用意しています。

《空間デザイン・建築設計》
当所が空間デザインを担当しながら、建築設計に建築士 杉本潤を迎えてプロジェクトを開始。元々の画廊横の元理容室との壁を抜いて、一つの部屋にまとめることで、2倍以上のスペースに拡張する工事を基本に、ミュージアムとして上質な設えとなるよう装飾面・機能面のデザイン設計を行いました。

ロゴマークのテーマカラー「水浅葱色」をギャラリー正面のメイン壁に塗装し、サイド壁・天井・床はグレー調などの色味の少ないクロス、日本らしい麻生地淡色ののれん、木板画に合わせて木材といった控えめの設えを採用することで、メイン壁の大型木版画に視線誘導できるよう空間デザイン。

更に、音楽とアートを組み合わせる活用予定から、メイン壁中央には作家所有のピアノを設置。元々の画廊壁に設置されていたテーブル板を二等分に割って、ピアノ左右に配置することで、ピクチャーレールのほか机上にも展示空間を確保。また一部のサイド壁は、マグネットボードを仕込むことで、小型木板画を自在に配置できるように。

また上から覗き込むタイプのガラス展示台も、オーダーメイドで発注。高さの違う三つの入れ子式展示台(2セット、車輪付き、一番小さい台には引き出し付)をミュージアムの中央に配置。木板画の原画を額に入れず展示しても、上部から見ると木枠に囲まれて額に入っているように見える仕掛けとなっています。

元々の画廊の裏にあったキッチンまでの壁を一部取り払うことで空間の広がりを感じるカウンターキッチンを整備、来客用のお茶などをスムーズに出せるように。カウンター下には、美術・長崎関連の書籍を展示できる本棚ディスプレイを増設。

ダウンライト、ダクトレール・スポットライトの増設を行い、展示品を快適に鑑賞できるよう照明配置にも工夫。通りに面したガラススルーの空間が広がったため、明るいミュージアム内がよく見えるようになっており、通りがかりでも外部から木板画アートの存在が目を引く展示空間に仕上がっています。

Branding・Spatial Designer / 稲田 勝次郎
Architect / 杉本 潤
Client / 木板画家 荒木 壽美
EC STORE / https://toshimido.theshop.jp/